INPUT for CREATIVES

INPUT for CREATIVES

11月8日(土)、中目黒『PANOF N Studio』にて Behance Japan Tokyo Community 主催のワークショップ/トークセッションイベント、『INPUT for CREATIVES』が開催されました。

こちらは11月24日(日)に開催される『Portfolio Reviews #6』と対になるプレイベントとなり、Portfolio Reviewsがクリエイターにとって作品や自身のクリエイティビティをレビュワーに伝える“OUTPUT”の場であるのに対して、『INPUT for CREATIVES』は、そのアウトプットをさらにブラッシュアップするための考え方やコツを“INPUT”するための場です。
Portfolio Reviewsで初めてプレゼンテーションに取り組むクリエイターも多いため、その機会をより実りあるものにしてもらいたいというBehance Japan Tokyo Communityの思いが、企画が生まれた背景にあります。
このレポートでは、そんな『INPUT for CREATIVES』の模様を写真と共にお伝えしていきます。

本編は二部構成。第一部は

IC4DESIGNの神垣博文さんによる
『プレゼンがうまくなるためのヒント、経験の話から』
ワークショップ/トークセッションです。

IC4DESIGNの神垣博文さん

神垣さんが仕事をする上でのスタンスは、「楽しい仕事にしたい」
『“楽しい仕事”をもらうためには、クライアントに「こいつと仕事したら楽しいかも」「こいつは楽しい作品を作る、楽しいやつ」と思われる必要があります。なので僕はたくさんある自分のパーソナリティの中から、「楽しい自分」「面白い自分」「ちょっと仕事ができる自分」という、“見せたい部分”を表現するようにしています。』という語りから始まった神垣さんのトークセッション。

プレゼンや打ち合わせでは、雑談以外にもちょっと笑いを起こして場を温めることで緊張を解くそう。』『「ちょっとドジっぽいけど大丈夫か?」と思わせておいてから“ガツン!”とプレゼンをキメると、一気に評価が上がるのです(笑)』
そんな風に語る神垣さんの明るく親しみあるキャラクターと軽快なトークやプレゼンシートに仕込まれたおもしろいネタで、会場の参加者はみんな楽しそうに話に聞き入り、何度も笑いに包まれました。

続くワークショップでの課題は、なんと「自己紹介」

「プレゼン」においてまず大事なことは、「自分の強みや特長、自分が相手から思われたいイメージを、ブレなく相手に伝えること」です。
「できるやつと思われたい」「インテリジェンスを感じさせたい」などなど自分が見せたいイメージをきちんと相手に与えられているか?そこにギャップはないか?自己紹介をすることによってそれを客観的に確認することがこのワークショップの目的です。

近くの5人~6人でグループを作り、一人1分間「自分はどんなものを作っているか」「どんな性格か」「得意なことは何か」といった自分のパーソナリティをについて話します。


1分間の自己紹介が終わったら、次は自分以外の方からのフィードバックタイム、通称「褒めタイム」
自己紹介を聞いてその人に対してどんな印象を感じたかを伝えます。感想は「明るくて誰とでも仲良くなれそう」「すごくまじめで作品作りにストイックそう」など様々。このフィードバックタイムによって、「自分の見せたい自分」と「他人が感じる自分」がどれくらい一致しているかの確認ができます。
そこにギャップがあった人は、これを機に改善するもよし、むしろそのギャップに乗っかって「自分としては全然そんなつもりなかったけど、”理路整然と説明ができる頭のいい人”に見えるらしいから、そういうキャラをうまく使かっちゃおう」というふうに、利用してしまうのもまたよし。といった感じで短い時間でヒントを多く得る機会を形にしていました。
今日初めて会う同士の環境を上手く利用したのが本当に面白かったです。


褒めタイムの合間には、Behanceの画面で自分の作品を見せあったり、その場で突発的に新しい企画のブレストが始まったりと、参加者同士の活発なコミュニケーションが見られました。

最後に神垣さんから


「プレゼンのベーシックはコミュニケーションです。プレゼンが巧くても”こいつとは仕事したくない”と思われてはダメだし、逆にプレゼンが下手でも”こいつと仕事したいな” と思われれば仕事は来るんです」
仕事を得るために重要なのは、プレゼンの内容以上に、そこに現れる「人間性」の部分 。クリエイターの皆さんは、ぜひこのワークショップで分かった「自分が見せたい自分」「他人から見える自分」についてさらに掘り下げてみて、今後の”OUTPUT”に活かす力としていただけると嬉しいです。

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続く第二部では

Red Lemon ClubのAlex Mathersさん(以下アレックス)による、
『イラストレーターとして学んだ最も大事なこと』
というテーマのトークセッション。

アレックスは大学在学中にイラストレーションを始め、iStockに作品を公開して客観的な評価を得る中で、どんな作品がビジネス的に受けるのかをロジカルに分析してきました。

その後フリーのイラストレーターとしてやっていくことに決めたものの、全ての仕事が 条件の良いものばかりではありませんでした。「どうしたらいい仕事、いいクライアントを得られるのか」「どうしたら自分の好きなイラストで食べていけるのか」「どうしたら途切れることなく継続的に仕事を得られるのか」「どうしたらエージェントを挟まないで大きなクライアントと繋がれるのか」

アレックスが抱えていたこのような課題について、同じように方法を模索しているクリエイターの方も多いのではないでしょうか。

こういった課題をいかにして解決したか、アレックスが自身の経験をもとに示した大き なポイントは4つ。

(1) 特定の個人と繋がる
(2) 狙う市場を決めて、その中でキーパーソンを見つける
(3) 市場とキーパーソンのことを徹底的にリサーチした上で、自分のバリューを伝える
(4) ソーシャル的な信用を得る・ソーシャル活動を積極的に行う

1つずつ見てみると…

(1)特定の個人と繋がる
「自分の作品を売り込まなくては!」と思うと、ついついたくさんの人と繋がりたい、訴えかけたい、と考えがちですが、アレックス自身はそれよりもまずは一人のキーパーソンと深く繋がること。

(2)狙う市場を決めて、その中でキーパーソンを見つける
「自分のクリエイティビティを活かせる市場」「自分が仕事したいクライアント」を定めて、その中で力を持っている人を見つける。

(3)市場とキーパーソンのことを徹底的にリサーチした上で、自分のバリューを伝える
自分が狙う市場が抱える問題や、キーパーソンの欲している情報を徹底的に調べ、その問題を解決する方法や求めている情報を自分から提供すること。「私にはあなたの役に立 てるバリューがありますよ」と相手に伝えることです。

(4)ソーシャル的な信用を得る・ソーシャル活動を積極的に行う
SNS上に自分の作品へのプラスのコメントや一緒に仕事をした人からの評価が載ることで、自分の実力を客観的に証明することができます。また、SNSでの活動を積極的に行い他の人達と繋がっていくことで、作品やクリエイターとしての自分の価値が世の中にどんどん広がっていきます。ソーシャル的な活動をしていなかったらせっかく良い作品を作っ ていても仕事に繋げるのは難しく、逆に積極的に行うことで仕事のチャンスは広がっていくのです。
「誰を知っているか」ではなく「誰が君を知っているか」

アレックスの経験に基づいた論理的なトークセッションは、クリエイターとして仕事をしていく上でとても参考になりました。behanceをやっている、あるいは興味を持って見て下さっている皆さんはすでにSNSへの意識が高い方だと思いますが、今後よりいっそう有効活用していくために、考えを深める良いきっかけになったのではないでしょうか。

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そして本編終了後は交流タイム。


参加者、スピーカーの神垣さん、アレックス、運営スタッフ、全員一緒になって作品を見せ合ったり仕事の話を聞いたり、自由にコミュニケーションを楽しみました。

参加者の方に今日のイベントの感想を聞いてみると…

「今までプレゼンの練習はひとりでやるだけだったから、こういうワークショップの機会があって良かったです」
「いろいろなジャンルのクリエイターさんがいたので、興味深い話がたくさん聞けました」
「作りたいもの・好きなものとビジネス的に売れるもののバランスは自分も普段気にして いることだったから、アレックスの話にはあらためて考えさせられました」
「フリーで活動していると他の人とのコミュニケーションの場が少ないので、たくさんのクリエイターさんとお話できて嬉しかったです」
などなど、他にも沢山の感想をいただくことができました。

構成・文/ 山本 希海
写真/ 小西 泰央

ご参加いただいた皆様本当にありがとうございました。
今回、IC4DESIGNの神垣博文さん、Red Lemon ClubのAlex Mathersさんにこの企画の為に東京中目黒の会場まで来ていただきました。
二人が話していることは一見全く逆のように聞こえたのですが、目的や意味の部分では同じ方向を向いていると感じ、また、これらの内容はクリエーターのみならず、どんなシーンの方々にも参考をなると思いました。
そして、ご参加いただいた皆様の顔や交流している姿を見て、改めて本企画を形にして良かったと実感しつつ、今後も様々な情報を共有し参加いただく皆様の具体的な力になるようこの INPUT for CREATIVES を続けていきますので、これからも宜しくお願いいたします。

主催:Behance Japan Tokyo Local’s Community
協力:株式会社アマナ
日時:2014年11月8日
会場:中目黒PANOF N Studio